1期でメインヒロインのルートを駆け足で回ったせいなのか、今期は補完の意味でじっくりCLANNADらしさを追求しているようにも思えます。
なんというか、いろいろと出来すぎている!
*
「CLANNADらしい」と感じたのは、私が以前書いた1期CLANNADを見ていて感じていた、「楽しいけれどプレイ感覚の再現とは違う」という感覚とは異なるものです。1期19話のあたりでもCLANNADらしい、と感じてはいましたが、今期はそんなテイストがより強くなっているようで。
アニメ版CLANNADはいわば全員のルートを並行していくわけで、原作とは違って登場人物が同時に多く登場し、わいわいと騒いでいる印象がありました。それは、原作でもことみルートや野球ルートでも見られたもので、原作の中に含まれている要素をCLANNADらしくない、と言ってしまうのは少しずれてくるかもしれないのですが、学園編を通してプレイした印象では、その大半をダイアローグが占めているといったものでした。
ぶっちゃけていうならば、ヒロインとの会話、もしくは春原とのバカ話がメインになっているということです。
1期でも主だった印象に残る会話は挿入されていましたが、割愛されていたものもちらほら。今期では、その回収もしていくということなのでしょうかね。
また、前回の感想で1話として登場人物の顔見せが行われたと書きましたが、今回は引き続き1期のおさらいの性格を踏まえた話づくりも見受けられます。
それに利用されたのが、春原のニセ彼女探し。
春原と朋也が悪ノリをしながら知り合いを当たっていくさまはとにかく笑いっぱなしのものですが、その中に見事にメインヒロインのキャラクターを含んでいる。
前回はあくまでも野球をプレイするヒロインとしての登場でしたが、今回はみんなが学園にいる時にどのような立ち位置にいるか、これまでの経緯はどうだったかを類推程度で説明していく様子。
最初に餌食になったのは藤林姉妹の妹、椋。大人しいキャラクターをいうものを前面に出しつつ、姉に庇護されていることを表している。そしてなんとも可愛らしく描かれていますよね。朋也が驚いて春原を一瞬止めようとするのは、もちろん1期10話以降の、椋が朋也に気があるという流れを受けているものですよね。このシーンだけで、そんな背景が類推できるように作られています。
そんなつながりで登場するのが姉の杏。辞書を武器に暴力を振るうのは前期と変わらずですが、原作のえげつなさがかなり表に出てきていますねw
このあたり、制作をしつつ視聴者の反応を反映させたのか、もしくは1期18話でメインヒロインとしてのフラグが折れたことで猫っかぶりがなくなったということなのか…w
智代のターンもいかにもそれっぽい。春原がベンチの隣の席に腰掛けて勢い余って触れた肩の部分をすごく嫌そうに払いながら無視する態度もSっ気が見られてたまらないですなw
で、そんな物語を展開しながら、渚に対するスタンスもしっかりと描かれていますよね。少しまだ引っかかりを感じながらも、仲良くはしようとしている。ただし、名前を呼び捨てにするほど親しくまではなっていないという。そんな微妙な距離の理由は、1期を見ていれば明確ですよねw
続いてはことみの番。意外にもことみはニセ彼女を引き受けてくれるそうですが、バイオリンによって破談になってしまうと。あれー、ことみはそこが個性になってくるのかw
バイオリンネタをしばらく持ちネタとするために、1期14話のラストで「前よりもいい音♪」がカットされたのでは、というのは考えすぎでしょうかねw
校内最後は、待ってましたのゆきねぇ登場。1期ではさして目だったイベントはなく、OPなどでも扱いはサブヒロインという位置づけですが、原作ファンが有紀寧のことを「ゆきねぇ」と呼ぶ片鱗が見えたのではないでしょうか。原作プレイ組みとしては、もうゆきねぇが登場した時点でくるかくるか・・・と待ち構えていたわけですが、机の下からあり得ないポーズで登場した瞬間、まさにキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!という感じw
むむ、ここまで描くということは、ゆきねぇシナリオも補完してしまうのかな? って、いつになったらアフター編は始まるのか・・・。
今回は、今までとは若干人物の描き方がちがっていたようですが、女性キャラの髪の描き方が特徴的でしたね。また、就寝前にヘアピンで前髪を留めなおしている渚のかわいいこと!
朋也・渚・早苗が並んでいるシーンでは渚の顔に紗がかかっていて赤みが増しているように見えるのですが、これはヒロイン補正なのでしょうか。
前回智代のバッティングフォームを朋也がコーチしている時にもちょっと気になりましたが、杏にも「恋人らしくなってきたじゃない」と言われているとおり、渚が朋也を意識している様子が微笑ましいですよねw
考えてみれば、朋也と渚は恋人同士で、しかも同じ屋根の下に暮らしていて、本来ならもっとラブラブな話が展開されてもいいはずなのですが、この二人を見ていると、ちっともそういった恋愛の匂いが漂ってこない。むしろ周りの環境の忙しさにそれらを忘れているような気もします。それが逆に見ている側にとっては円熟のカップルの落ち着いた様にも見られてきて、うーん、この二人の今後も楽しみだなぁw
ともあれ、見事に早苗さんが春原のニセ彼女となる事態に。以前にも書いたことがあるのですが、これらのシークエンスは「田舎から来た親族にニセの彼女を紹介する」という、プロットだけ見れば綺麗に70年代のテイストを放つものです。それをうまく古臭さを感じさせないで引っ張っていく手腕は見事ですねぇ。
ってぇ!まだ続くんかい! いや、楽しいからいいんだけどさw 来週もまた、波乱の予感でございます。
*
今回はっきりと復活してきた要素に、アバンの幻想世界のシーンがあると思います。幻想世界に関しては1期の感想などでも何度か触れてきたので余り述べませんが、視聴者の中には「あれ?まだこの話続いてたのか」と思った方もいるのではないでしょうか。
1期の最終回で、幻想世界の風景が渚の幼い頃に聞いた話であったことが分かります。そして、幻想世界の物語は最後まで語られず、渚の芝居はみんなの前で披露されるわけです。
渚はその物語の最後を、朋也に語っています。そのシーンから。
芝居が終わって初めて渚が思い出したということは、芝居にはその物語は反映されなかったということで、視聴者にも幻想世界の物語の続きは提示されませんでした。ただ、渚がこう結論づけたことで、幻想世界の語りは終わりを迎えたようにも思えるんです。
そのようななかでの、今回のアバン。つまり、恐らくこの先人形と少女が旅をして、最後に歌を歌うことが語られることが予想されるわけですよね。これを、また再び語る必要があるの? と。
幻想世界の描写も不可思議です。人形と少女が出会った生き物らしき存在。羊のようにも見え、かといって羊ではなく、なんとなく丸くてふわふわした不思議な生き物。動いているからには命らしきものを持っているのでしょうが、この世界は「終わった世界」なのではなかったのでしょうか。何も生まれず、何も死なない世界。そんな悲しい世界だったはずなのでは。
幻想世界のこの部分は、原作ですと学園編で語られている部分であったように思います。それをアフター編のこの時期にもってきた意図は何か。ここではまだ不明ですが、何らかの示唆というか、この先の雰囲気作りに影響しているのでは、とも思えますよね。
自分達の力で暮らしていくためのガラクタを集めなければならない女の子と人形。獣と触れ合った少女は、去っていく獣たちを見送りながら人形にこう語りかけました。
そう遠くを思うような調子で語る少女。人形は何も語りませんが、「遠い過去、あるいは遠い未来に」経験した記憶を反芻しているようでもあります。その匂いで、彼女たちは何を思い出したのか。それがいつか、語られる時はくるのでしょうか。
「CLANNADらしい」と感じたのは、私が以前書いた1期CLANNADを見ていて感じていた、「楽しいけれどプレイ感覚の再現とは違う」という感覚とは異なるものです。1期19話のあたりでもCLANNADらしい、と感じてはいましたが、今期はそんなテイストがより強くなっているようで。
アニメ版CLANNADはいわば全員のルートを並行していくわけで、原作とは違って登場人物が同時に多く登場し、わいわいと騒いでいる印象がありました。それは、原作でもことみルートや野球ルートでも見られたもので、原作の中に含まれている要素をCLANNADらしくない、と言ってしまうのは少しずれてくるかもしれないのですが、学園編を通してプレイした印象では、その大半をダイアローグが占めているといったものでした。
ぶっちゃけていうならば、ヒロインとの会話、もしくは春原とのバカ話がメインになっているということです。
1期でも主だった印象に残る会話は挿入されていましたが、割愛されていたものもちらほら。今期では、その回収もしていくということなのでしょうかね。
また、前回の感想で1話として登場人物の顔見せが行われたと書きましたが、今回は引き続き1期のおさらいの性格を踏まえた話づくりも見受けられます。
それに利用されたのが、春原のニセ彼女探し。
春原と朋也が悪ノリをしながら知り合いを当たっていくさまはとにかく笑いっぱなしのものですが、その中に見事にメインヒロインのキャラクターを含んでいる。
前回はあくまでも野球をプレイするヒロインとしての登場でしたが、今回はみんなが学園にいる時にどのような立ち位置にいるか、これまでの経緯はどうだったかを類推程度で説明していく様子。
最初に餌食になったのは藤林姉妹の妹、椋。大人しいキャラクターをいうものを前面に出しつつ、姉に庇護されていることを表している。そしてなんとも可愛らしく描かれていますよね。朋也が驚いて春原を一瞬止めようとするのは、もちろん1期10話以降の、椋が朋也に気があるという流れを受けているものですよね。このシーンだけで、そんな背景が類推できるように作られています。
そんなつながりで登場するのが姉の杏。辞書を武器に暴力を振るうのは前期と変わらずですが、原作のえげつなさがかなり表に出てきていますねw
このあたり、制作をしつつ視聴者の反応を反映させたのか、もしくは1期18話でメインヒロインとしてのフラグが折れたことで猫っかぶりがなくなったということなのか…w
智代のターンもいかにもそれっぽい。春原がベンチの隣の席に腰掛けて勢い余って触れた肩の部分をすごく嫌そうに払いながら無視する態度もSっ気が見られてたまらないですなw
で、そんな物語を展開しながら、渚に対するスタンスもしっかりと描かれていますよね。少しまだ引っかかりを感じながらも、仲良くはしようとしている。ただし、名前を呼び捨てにするほど親しくまではなっていないという。そんな微妙な距離の理由は、1期を見ていれば明確ですよねw
続いてはことみの番。意外にもことみはニセ彼女を引き受けてくれるそうですが、バイオリンによって破談になってしまうと。あれー、ことみはそこが個性になってくるのかw
バイオリンネタをしばらく持ちネタとするために、1期14話のラストで「前よりもいい音♪」がカットされたのでは、というのは考えすぎでしょうかねw
校内最後は、待ってましたのゆきねぇ登場。1期ではさして目だったイベントはなく、OPなどでも扱いはサブヒロインという位置づけですが、原作ファンが有紀寧のことを「ゆきねぇ」と呼ぶ片鱗が見えたのではないでしょうか。原作プレイ組みとしては、もうゆきねぇが登場した時点でくるかくるか・・・と待ち構えていたわけですが、机の下からあり得ないポーズで登場した瞬間、まさにキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!という感じw
むむ、ここまで描くということは、ゆきねぇシナリオも補完してしまうのかな? って、いつになったらアフター編は始まるのか・・・。
今回は、今までとは若干人物の描き方がちがっていたようですが、女性キャラの髪の描き方が特徴的でしたね。また、就寝前にヘアピンで前髪を留めなおしている渚のかわいいこと!
朋也・渚・早苗が並んでいるシーンでは渚の顔に紗がかかっていて赤みが増しているように見えるのですが、これはヒロイン補正なのでしょうか。
前回智代のバッティングフォームを朋也がコーチしている時にもちょっと気になりましたが、杏にも「恋人らしくなってきたじゃない」と言われているとおり、渚が朋也を意識している様子が微笑ましいですよねw
考えてみれば、朋也と渚は恋人同士で、しかも同じ屋根の下に暮らしていて、本来ならもっとラブラブな話が展開されてもいいはずなのですが、この二人を見ていると、ちっともそういった恋愛の匂いが漂ってこない。むしろ周りの環境の忙しさにそれらを忘れているような気もします。それが逆に見ている側にとっては円熟のカップルの落ち着いた様にも見られてきて、うーん、この二人の今後も楽しみだなぁw
ともあれ、見事に早苗さんが春原のニセ彼女となる事態に。以前にも書いたことがあるのですが、これらのシークエンスは「田舎から来た親族にニセの彼女を紹介する」という、プロットだけ見れば綺麗に70年代のテイストを放つものです。それをうまく古臭さを感じさせないで引っ張っていく手腕は見事ですねぇ。
ってぇ!まだ続くんかい! いや、楽しいからいいんだけどさw 来週もまた、波乱の予感でございます。
*
今回はっきりと復活してきた要素に、アバンの幻想世界のシーンがあると思います。幻想世界に関しては1期の感想などでも何度か触れてきたので余り述べませんが、視聴者の中には「あれ?まだこの話続いてたのか」と思った方もいるのではないでしょうか。
1期の最終回で、幻想世界の風景が渚の幼い頃に聞いた話であったことが分かります。そして、幻想世界の物語は最後まで語られず、渚の芝居はみんなの前で披露されるわけです。
渚はその物語の最後を、朋也に語っています。そのシーンから。
「続きを思い出しました!」
「ん?」
「お話の続きです。女の子と人形は、その世界を出ることにしたんです。人形は、ずっと遠くに、もっと暖かくて賑やかな世界があることを知っていたからです」
「それで、どうなるんだ?」
「長い長い旅をして、その先で」
「その先で!?」
「歌を歌いますっ」
芝居が終わって初めて渚が思い出したということは、芝居にはその物語は反映されなかったということで、視聴者にも幻想世界の物語の続きは提示されませんでした。ただ、渚がこう結論づけたことで、幻想世界の語りは終わりを迎えたようにも思えるんです。
そのようななかでの、今回のアバン。つまり、恐らくこの先人形と少女が旅をして、最後に歌を歌うことが語られることが予想されるわけですよね。これを、また再び語る必要があるの? と。
幻想世界の描写も不可思議です。人形と少女が出会った生き物らしき存在。羊のようにも見え、かといって羊ではなく、なんとなく丸くてふわふわした不思議な生き物。動いているからには命らしきものを持っているのでしょうが、この世界は「終わった世界」なのではなかったのでしょうか。何も生まれず、何も死なない世界。そんな悲しい世界だったはずなのでは。
幻想世界のこの部分は、原作ですと学園編で語られている部分であったように思います。それをアフター編のこの時期にもってきた意図は何か。ここではまだ不明ですが、何らかの示唆というか、この先の雰囲気作りに影響しているのでは、とも思えますよね。
自分達の力で暮らしていくためのガラクタを集めなければならない女の子と人形。獣と触れ合った少女は、去っていく獣たちを見送りながら人形にこう語りかけました。
「不思議だね…。優しい匂いがしたんだ」
そう遠くを思うような調子で語る少女。人形は何も語りませんが、「遠い過去、あるいは遠い未来に」経験した記憶を反芻しているようでもあります。その匂いで、彼女たちは何を思い出したのか。それがいつか、語られる時はくるのでしょうか。
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